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定着戦略

辞めると言われてからでは遅い。在職者面談で本音を先に聞く

辞めますと言われて初めて、その人の不満を知る。中小企業ではよくある光景です。けれど、そのとき相手の気持ちはもう固まっていて、引き止めはほとんど効きません。本音を聞くなら、辞める前です。

退職面談では、もう手遅れになっている

退職が決まった人に理由を聞くのは大切ですが、それは次に活かすための情報で、その人を引き止める力はありません。厚生労働省の雇用動向調査では、離職率は近年おおむね15%前後。一定の人は毎年辞めていきます。多くの場合、退職を切り出す頃には、転職先が決まっていたり、気持ちが固まっていたりします。そこから条件を上げて引き止めても、一度離れた心は戻りにくいものです。だからこそ、まだ働いてくれている人に目を向け、辞める前に声を聞く場をつくることが、流出を止める近道になります。

在職者面談は、不満探しではない

今いる社員と一対一で、続けている理由と、辞めたくなるとしたら何かを聞く。これを在職者面談、ステイインタビューと呼びます。大事なのは、不満を問い詰める場にしないことです。「この仕事のどこが続けられている理由ですか」「もっとこうだったら働きやすい、という点はありますか」と前向きに尋ねる。良い点を確認しつつ、小さな不満が大きくなる前に拾い上げるのが狙いです。続けている理由がはっきりすれば、それは他の人に向けた会社の魅力にもなります。

評価面談やアンケートとは、役割が違う

評価面談は、成果や処遇を話す場です。匿名アンケートは、全体の傾向をつかむのに向いています。在職者面談は、その中間にあります。名前のわかる一人に、辞める前提のない雰囲気で本音を聞く。だから、評価とは切り離して行うこと、聞いた内容で不利な扱いをしないことを最初に伝えるのが欠かせません。安心して話せると分かって初めて、本当のことが出てきます。

質問づくりと記録の整理は、AIに任せる

何を聞けばいいか分からない、という人は、AIに相談しましょう。職種や年代を伝えて「在職者面談で聞くとよい質問を、相手が答えやすい順に並べて」と頼めば、たたき台ができます。面談後は、話した内容のメモを貼り付けて「複数人の声から共通する課題を抜き出して」と頼むと、職場全体の傾向が見えてきます。一人ずつの面談を、職場を直すヒントに変える。辞める前のひと声が、定着につながります。

出典:厚生労働省「雇用動向調査」https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/9-23-1.html

代表 喜連川慎也
喜連川 慎也(きれがわ しんや)
中小企業診断士 / 認定経営革新等支援機関
飲食チェーンで人手不足の店舗を10回立て直し、社内30店舗・社外40社以上の人手不足支援に携わってきました。AIと採用・定着の両面から、御社に最適な打ち手を提案します。代表プロフィールを見る →

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