求人を出しても応募が来ない。来たとしても、欲しい人とどこか違う。その原因の一つが、「どんな人に来てほしいか」を会社の中で具体的に決めていないことです。狙う相手がぼんやりしたまま書いた求人は、読んだ人の心に引っかかりません。
採用がうまくいかないとき、多くの社長は「給料が安いからか」「うちが無名だからか」と条件のせいにします。もちろんそれもあります。ただ、その前に見直したいのが、求人で語りかける相手をはっきりさせているかどうかです。
人の取り合いは年々激しくなっています。毎年、多くの人が職場を移っており、中小企業はその競争のなかで人を集めなければなりません。だからこそ、限られた応募者に向けて、刺さる言葉を選ぶ必要があります。
出典:厚生労働省「雇用動向調査」https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/9-23-1.html
早く人手が欲しいと、つい「やる気のある方歓迎」「未経験OK」と間口を広げたくなります。ところが、誰にでも当てはまる言葉は、特定の誰かの胸には響きません。逆に「子育てが一段落して、また働きたいと思っている方へ」と呼びかければ、その状況の人は自分のことだと感じます。狙いを絞るほど、ぴったりの人が振り向きます。
採用ペルソナとは、来てほしい人を一人の具体的な人物として描いたものです。年代や経験だけでなく、どんな生活をしていて、なぜ転職を考え、いまの仕事の何に困っているか。そこまで考えます。たとえば「40代前半、前職は別業種の営業、収入より働きやすさを重視、子どもの行事に出られる職場を探している」。ここまで決まると、求人に何を書くべきかが自然と見えてきます。
一人で考えると、人物像はぼんやりしがちです。そこでAIに「うちの仕事内容はこれ。どんな人が向いていて、その人は何に悩んで仕事を探しているか、一緒に整理して」と相談します。AIは候補をいくつも出してくれるので、それを見ながら「これは違う」「これは近い」と選んでいけば、頭の中の人物像がくっきりします。社内の数人で同じやり取りをすれば、誰を採りたいかの認識もそろいます。
人物像が決まれば、あとはその人に手紙を書くつもりで求人を作ります。その人が気にする点、たとえば休みの取りやすさや家からの距離、教えてもらえる環境を先に書く。専門用語より、その人がふだん使う言葉を選ぶ。写真も、その人が「ここなら働けそう」と思える場面を選ぶ。狙う相手が一人決まっているだけで、求人全体に芯が通ります。応募が来ないと悩む前に、まず「誰に来てほしいか」を紙に書き出すところから始めてみてください。
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