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定着戦略

年上の部下、年下の上司。世代が混ざる職場の摩擦をなくして人を辞めさせない

定年後の再雇用や中途採用が増えて、年上の部下、年下の上司という組み合わせが珍しくなくなりました。ここで気をつかい方を間違えると、ベテランがやる気をなくしたり、若い上司が萎縮したりして、人が辞めていきます。

人手不足のなかで、定年後も働き続けてもらったり、経験豊富な人を中途で採ったりする会社が増えています。その結果、職場には年齢も経験もバラバラな人が混ざるようになりました。これ自体はいいことですが、関係のつくり方を間違えると、摩擦が生まれて離職につながります。

出典:帝国データバンク「人手不足倒産の動向調査(2025年)」https://www.tdb.co.jp/report/economic/20260108-laborshortage-br2025/

2025年の人手不足倒産は427件と過去最多で、そのうち従業員や経営幹部の退職が引き金になった「従業員退職型」が124件にのぼりました。中心になる人が辞めると、小さな会社は一気に立ち行かなくなります。ベテランにも若手にも長く働いてもらうことが、会社を守ることに直結します。

役割と年齢を、切り離して考える

年上だから偉い、年下だから従う、という考え方を職場に持ち込むと、無理が生じます。仕事の上での役割と、人としての敬意は別のものです。若い上司が年上の部下に指示を出すのは、役割としては当然のこと。一方で、年長者の経験に敬意を払うのも当然のこと。この二つを分けて考えられれば、お互いやりにくさがぐっと減ります。会社として、その考え方を折に触れて伝えることが大切です。

ベテランの経験を、活かす場をつくる

年上の部下が一番つらいのは、これまでの経験が無視されていると感じることです。長年やってきた知識や勘は、会社にとって財産です。若手への指導役を頼む、難しい場面で相談する、改善のアイデアを聞く。経験を活かす場があれば、ベテランは前向きに働けます。年齢で線を引いて隅に追いやると、せっかくの戦力が腐ってしまいます。

若い上司を、孤立させない

逆に、年上の部下を持つ若い上司も、実はかなり気をつかっています。指示を出していいのか、生意気だと思われないか。一人で抱え込むと、萎縮して指示が出せなくなります。経営者や上の立場の人が、若い上司を支える姿勢を見せてください。「あなたの判断を後押しする」と伝えるだけで、若い上司は動きやすくなります。

摩擦は、早めに気づいて間に入る

世代間の摩擦は、放っておくと静かに広がります。あの人とは合わない、という空気が一度できると、修復は難しくなります。普段から両方の話を聞き、気になる兆しがあれば早めに間に入る。どちらかの肩を持つのではなく、お互いの良さを認め合える関係を仲立ちする。手間はかかりますが、ベテランも若手も辞めない職場は、こうした地道なかかわりからできていきます。

代表 喜連川慎也
喜連川 慎也(きれがわ しんや)
中小企業診断士 / 認定経営革新等支援機関
飲食チェーンで人手不足の店舗を10回立て直し、社内30店舗・社外40社以上の人手不足支援に携わってきました。AIと採用・定着の両面から、御社に最適な打ち手を提案します。代表プロフィールを見る →

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