新人の教え方がバラバラな職場を仕組みで変える|中小企業の人材育成
新人の育ち方が、教える人によってバラバラなら、個人の教え方に頼るのをやめて、教える内容を仕組みにしてください。
「教えるのが上手な人」がいる職場は強いですが、その人が忙しいときや辞めたときに、一気に崩れます。教え方が個人の腕に頼っているからです。新人が安定して育つ職場は、教える内容そのものを仕組みにしています。
教え方がバラバラだと、何が起きるか
教える先輩が忙しければ、新人は放っておかれます。別の先輩は、また違うやり方を教えます。新人は何が正解か分からず、自信をなくしていきます。覚えが悪いと見られ、本人も「向いていないのかも」と思い詰めて辞めてしまう。教える側も、毎回ゼロから口で説明するので、自分の仕事が進みません。誰も得をしない状態です。
解決は、教える内容を仕組みにすること
ベテランの頭の中にある手順を、外に出します。といっても、立派なマニュアルは要りません。よく使う作業の手順を、簡単な文書にする。あるいは、実際にやっている様子をスマホで撮って、短い動画にしておく。これだけで十分です。手順が形になっていれば、誰が教えても同じ水準まで育てられます。新人も、分からなくなったら自分で見返せます。
仕組みは、教える側も楽にする
手順が形になっていれば、先輩は一から口で説明する手間が省けます。「まずこれを見ておいて」と渡せるので、つきっきりにならずに済みます。新人も、先輩の手が空くのを待たずに進められます。教える負担が減れば、先輩は自分の仕事に集中できる。結果として、職場全体に余裕が生まれます。
まずは「一番よく教える作業」から
とはいえ、すべての作業を一度に手順にするのは大変です。だから、最初の一つは、新人に一番よく教える作業を選んでください。教える回数が多い作業ほど、手順にしたときに省ける手間が大きいからです。作るときは、教えるのが上手な人に、いつも通りやってもらいながら撮るか、書き留めるだけ。ゼロから資料を作る必要はありません。一つできたら、それを使って新人に渡してみる。実際に使ってみると、足りない部分が分かるので、そこだけ足していきます。こうして使いながら少しずつ育てていけば、立派なマニュアルがなくても十分に回ります。
「人を育てる」と聞くと大ごとに感じますが、一度に全部をそろえる必要はありません。まずは一番よく教える作業を一つ、手順にするところから。それだけで、職場の教え方は変わり始めます。


