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少ない人数で回す|中小企業の多能工化(一人何役)の進め方

定着戦略

人を増やせないなら、今いる人が「複数の仕事をこなせる」ようにする手があります。これを多能工化といい、少ない人数で会社を回すための、現実的な打ち手です。

一人が一つの仕事しかできないと、その人が休んだだけで業務が止まります。逆に、何人かが同じ仕事をこなせれば、誰かが抜けても回ります。多能工化は、人手不足を乗り切るための、昔からある確実な方法です。

多能工化の一番のメリット

特定の人に仕事が偏らなくなることです。「この作業はあの人だけ」という状態をなくせば、急な休みや退職があっても、ほかの人が代われます。忙しい時期に、手の空いた人が応援に回ることもできます。結果として、少ない人数でも、安定して業務が回るようになります。一人の急な欠勤に振り回されることが、ぐっと減ります。

いきなり全部を覚えさせない

多能工化でよくある失敗は、一度に多くを覚えさせようとして、現場が混乱することです。順番が大事です。まず、その人が抜けると困る作業から手をつけます。その作業を、もう一人が覚える。これを一つずつ広げていきます。あわせて、手順書(マニュアル)があると、覚えるスピードが上がり、教える側の負担も減ります。

「手当」で後押しする

複数の仕事を覚えた人には、少額でも手当をつけると、前向きに取り組んでもらえます。「いろいろできるようになっても給料が同じ」では、新しく覚える気になりません。できることが増えた人が、きちんと報われる仕組みにする。そうすると、多能工化は無理なく進みます。

覚える側にも、いいことがある

多能工化は、会社が回りやすくなるだけではありません。働く人にとっても、できることが増えるのは、仕事の幅が広がり、成長を感じられることにつながります。「いつも同じ作業だけ」より、いくつかの仕事を任される人のほうが、やりがいを感じやすいものです。手当とあわせて、本人の成長につながる形にすれば、多能工化は人手不足の対策であると同時に、人が辞めにくい職場づくりにもなります。人手不足と定着の両方に効くからこそ、進める価値があります。

まずは、「この人が抜けたら困る」という作業を一つ書き出してください。そこを、もう一人が覚えるところが第一歩です。小さく始めれば無理なく続けられ、少ない人数でも安定して回る会社に近づいていきます。

代表 喜連川慎也
喜連川 慎也(きれがわ しんや)
中小企業診断士 / 認定経営革新等支援機関
飲食チェーンで人手不足の店舗を10回立て直し、社内30店舗・社外40社以上の人手不足支援に携わってきました。AIと採用・定着の両面から、御社に最適な打ち手を提案します。代表プロフィールを見る →
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