就業規則は、一度作ったら終わりではありません。法律は毎年のように変わり、職場の働き方も変わっていきます。何年も前に作ったまま放置された規則は、いまの実態に合わず、いざというときに役に立ちません。それどころか、社員との間に不要なもめごとを生み、人が辞める原因にもなります。
就業規則は会社のルールブックですが、作ったまま放置されている例は少なくありません。法律は変わり続けており、古い規則のままでは義務を果たせていないこともあります。
出典:厚生労働省 栃木労働局「就業規則の作成・変更・届出の義務(第89条、第90条、第92条)」https://jsite.mhlw.go.jp/tochigi-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/roudoukijun_keiyaku/roukijou/roukihou_point/kijunhou_kaisetsu/article89_90_92.html
常時10人以上の労働者を使う事業場には、就業規則を作って労働基準監督署に届け出る義務があります。この10人には、正社員だけでなくパートやアルバイトも含まれます。義務があるのに作っていない、作ったけれど届け出ていない、という状態は罰則の対象になりえます。まずは自社が作成義務のある規模かどうかを確かめてください。10人未満でも、ルールを明確にしておくとトラブルを防げます。
ここ数年だけでも、職場のルールに関わる法改正が続いています。パワハラ防止の措置や、育児・介護に関する制度の見直しなど、就業規則に反映すべき内容が増えています。法律が変わったのに規則が古いままだと、知らないうちに義務を果たせていない状態になります。規則を変えたときは、その都度、労働基準監督署に届け出ることも必要です。一度に何件もまとめて、というわけにはいきません。
就業規則は、作って届け出るだけでは十分ではありません。社員がいつでも中身を確認できるようにしておく、つまり周知することが求められます。これは法律でも定められています。周知されていない規則は、いざ何かを決めるときに「そんなルールは知らなかった」と言われ、効力をめぐって争いになることもあります。職場の見やすい場所に置く、社内で誰でも見られるようにしておく。当たり前のようで、できていない会社は少なくありません。
働き方の実態と規則がずれていると、社員は会社のルールを信用しなくなります。書いてあることと現場の運用が違えば、何を基準に判断すればいいのか分からなくなり、不公平感も生まれます。こうした小さなずれの積み重ねが、職場への不信につながり、人が辞める遠因になります。規則の見直しは地味な作業ですが、社員が安心して働ける土台を整えることでもあります。条文の文言を分かりやすく整理する作業はAIに手伝わせることもできますが、内容が法律に沿っているかどうかの最終判断は、社会保険労務士などの専門家に確かめるのが安全です。まずは、自社の就業規則を最後にいつ見直したかを思い出すところから始めてみてください。
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