求人を出すたびにお金が出ていく。けれど、一人採るのに本当はいくらかかっているのか、はっきり答えられる社長は多くありません。広告費だけを見て「思ったより安く済んだ」と感じていても、すぐ辞められて採り直しになれば、かかった費用は二倍三倍にふくらみます。見えていないコストを数字にすると、どこにお金が消えているかが分かります。
採用にかかるお金は、目に見える広告費だけではありません。早期離職や内定辞退で消えていく費用まで合わせると、一人あたりの本当のコストはもっと大きくなります。
出典:マイナビ「中途採用状況調査2025年版(2024年実績)」(dodaの解説より)https://www.saiyo-doda.jp/guide/kihon/recruitment-unit-price
採用にかかるお金は、求人広告費や人材紹介の手数料だけではありません。求人原稿を書く時間、応募者とのやり取り、面接の日程調整、面接そのものにかける時間。これらはすべて社内の人が動いていて、人件費という形でコストになっています。中途採用では一人あたり平均134.6万円という調査もあります。外に払うお金だけを見ていると、この社内の手間がまるごと抜け落ちます。
採用コストが一番ふくらむのは、採った人がすぐ辞めたときです。入社して数か月で辞められると、それまでの広告費も、教えるためにかけた時間も、まるごと無駄になります。そのうえ、もう一度採用活動を最初からやり直すことになります。同じ一人を採るのに、二回ぶんの費用がかかる計算です。早期離職を一件減らすことは、求人広告を一本減らすより大きな節約になります。
内定を出したのに辞退される。これも見えにくいコストです。辞退されれば、その人を選ぶまでにかけた時間はそのまま消えます。さらに、採用予定が埋まらないまま現場は人手不足を抱え、既存の社員に負担が回ります。連絡が遅い、対応が事務的、こうした小さなことの積み重ねで辞退は増えます。選考のスピードと対応の丁寧さは、そのままコストに跳ね返ってきます。
最初から一円単位で正確に出す必要はありません。直近で採用した数人について、かかった費用と時間をおおまかに書き出してみてください。求人にいくら払ったか、面接に何時間使ったか、その人は今も残っているか。これだけでも、どの採用経路が安く確実に採れているかが見えてきます。応募から入社までの流れを表にまとめてAIに渡せば、経路ごとの単価や歩留まりの整理も任せられます。数字が一度見えれば、翌年からは同じ形で記録していくだけで比べられるようになります。お金のかからない経路、たとえば社員の紹介や自社の採用ページを太くしていけば、採用にかかる費用そのものを下げていけます。本当のコストを知ることが、ムダを減らす最初の一歩です。
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