うちは人がよく辞める、と感じていても、では何パーセントかと聞かれて答えられる経営者は多くありません。離職率を測っていないと、問題が起きていることにも、良くなっているかにも気づけません。手を打つには、まず数字で見ることから始まります。
厚生労働省の調査では、令和6年の離職率は15%前後で推移しています。これはあくまで全体の平均です。自社の数字が平均より高いのか低いのか、どの層で辞めているのか。自社で測ってはじめて、比べることも、手を打つこともできます。
出典:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/25-2/dl/gaikyou.pdf
離職率の出し方は難しくありません。一定の期間に辞めた人数を、期首の従業員数で割るだけです。これを毎年続ければ、増えているのか減っているのかが分かります。大切なのは、一度きりで終わらせず、続けて測ることです。変化を追えば、何かをした効果も見えてきます。
全体の数字だけでなく、どこで辞めているかを分けて見ると、原因に近づけます。入社1年以内が多いのか、特定の部署に偏っているのか、特定の年代なのか。分けて見れば、手を打つ場所が絞れます。バラバラの退職記録をAIで整理すれば、こうした傾向を見つけやすくなります。
離職率という数字に、なぜ辞めたのかという理由を重ねると、打ち手が具体的になります。退職時の面談や、辞めた人の声を集めて、共通点を探す。AIに記録を読ませて整理させると、人手をかけずに傾向をつかめます。数字で異変に気づき、理由でその中身を知る。この二つがそろうと、改善が進みます。
数字を出すこと自体が目的ではありません。高い部署に手を入れ、次の年にどう変わったかをまた測る。この繰り返しで、定着は少しずつ良くなります。測って、手を打って、また測る。地味ですが、これが効きます。完璧な分析より、続けることのほうが大切です。
感覚で語っているうちは、定着の問題はぼんやりしたままです。離職率を出し、どこで辞めているかを分けて見て、理由とつなげる。数字で見えるようになれば、どこから手をつければいいかがはっきりします。まずは、自社の去年の離職率を出すところから始めてみてください。数字は、経営者の感覚を裏づけたり、ときに思い込みを正したりしてくれます。まずは測る習慣をつけることが、定着改善の第一歩になります。数字に向き合う手間を惜しまないことが、結局はいちばんの近道になります。今日から始められる取り組みです。
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