社長が現場から抜けられない会社が最初にやること|業務の見える化
社長が現場に入りっぱなしで経営に手が回らないなら、人を増やす前に、社長の仕事を書き出して見えるようにするのが先です。
「人さえ増えれば現場から抜けられる」。そう考えて採用しても、なぜか社長は現場に残り続けます。原因は人数ではなく、仕事が社長の頭の中だけにあって、人に渡せる形になっていないことです。まず、その頭の中を外に出すところから始めます。
なぜ社長が現場から抜けられないのか
判断も、段取りも、お客さんとのやり取りも、長年すべて社長がやってきました。その結果、手順が社長の頭の中にしかなく、ほかの人には引き継げない状態になっています。「自分がやったほうが早い」と感じるのも当然です。ですが、その「早い」を続けるかぎり、社長はいつまでも現場から抜けられません。
最初にやるのは、頭の中を外に出すこと
社長が一日、そして一週間でやっている仕事を、ひたすら書き出してください。見積もり、現場の段取り、急な電話対応、職人さんへの指示、お客さんへの謝罪。細かいものまで全部です。書き出してみると、自分でも気づかないうちに、これだけの仕事を一人で抱えていたことが見えてきます。この一覧が、仕事を手放すための地図になります。
渡せる仕事から、少しずつ手放す
書き出した仕事を、三つに分けます。「人に任せられるもの」「仕組みやAIで減らせるもの」「社長が続けるべきもの」。そして、渡せるものから順に手放していきます。全部を一度に手放す必要はありません。一つ渡すごとに、社長の時間は確実に戻ってきます。渡した相手が慣れてきたら、また次の一つを渡す。これを繰り返します。
渡したあとは、口を出しすぎない
仕事を手放すときに多いのが、渡したそばから口を出してしまうことです。やり方が自分と違うと、つい気になります。ですが、細かく直し続けていると、相手はいつまでも自分で判断できるようになりません。結果が大きく外れていないかぎり、しばらく任せて見守る。やり方が多少違っても、結果が出ていればよし、と考える。これができると、社長の手は本当に空いていきます。任せられた人も、責任を持つことで力がついていきます。最初は不安でも、任せた数だけ、会社は強くなります。
社長にしかできない仕事は、実はそれほど多くありません。まずは一週間、自分の仕事を書き出すことから始めてみてください。人を増やすかどうかは、その一覧を見てから決めても遅くありません。


