元気そうに見えた社員が、ある日休職する。あるいは辞めていく。心の不調は表に出にくく、辞めてから気づくことも多いものです。手遅れになる前に、社員のストレスの状態を定期的に把握しておく。その仕組みが、ストレスチェックです。
ストレスチェックは、2015年から、従業員50人以上の会社に年1回の実施が義務づけられています。50人未満は当分の間努力義務でしたが、2025年5月に公布された改正で、規模を問わず実施が義務化されることになりました。心の健康を守る取り組みは、もう小さな会社にも他人事ではありません。
出典:厚生労働省「ストレスチェック制度・メンタルヘルス対策」https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/index.html
ストレスチェックは、社員が自分のストレスの状態を質問票で確かめる仕組みです。結果は本人に通知され、会社が勝手に見ることはできません。希望する高ストレスの人には、医師の面接指導を行います。誰がつらいかを暴くためではなく、本人が気づき、必要なら手を打つための仕組みです。
個人の結果は守りつつ、部署ごとにまとめて傾向を見ることはできます。どの職場でストレスが高いか、何が負担になっているか。集まった声をAIで整理すれば、共通する原因が見えてきます。残業が多い、相談しにくい、仕事が偏っている。原因が分かれば、職場ごとに手を打てます。
制度としての年1回だけでなく、日ごろの変化に気づくことも大切です。表情が暗い、遅刻が増えた、口数が減った。こうしたサインは、近くにいる人が拾うしかありません。気づいたら声をかけ、話を聞く。面談で何を話すか迷うときは、AIに進め方を相談して整理するのも一つの手です。
不調を抱えた社員が、誰にも言えずに一人で抱え込むのが、いちばんつらい状態です。社内で相談しにくいなら、外部の相談窓口を用意しておくと安心です。産業医や地域の支援機関など、頼れる先はあります。一人で抱えなくていい、という空気をつくることが、休職や離職を防ぎます。
心の不調は、早く気づくほど軽く済みます。辞めてから、休んでから、では遅いのです。ストレスチェックで状態を定期的に把握し、職場の原因に手を打つ。義務化の流れも踏まえて、今のうちから備えておくことをおすすめします。社員が安心して働けることは、定着の土台です。心の健康を守る仕組みは、人を大切にする会社の姿勢そのものとして、社員にも伝わります。気になることがあれば、放っておかずに早めに声をかける。その積み重ねが、社員の安心につながっていきます。
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