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定着戦略

「ここにいても成長できない」と思われたら終わり。社員のスキルアップを支援して定着率を上げる

社員が辞める理由は、給料や人間関係だけではありません。「この会社にいても成長できない」「スキルが身につかない」と感じたとき、人は次の場所を探し始めます。特に意欲のある若手ほど、学べる環境を求めて動きます。逆に言えば、社員が成長を実感できる職場は、人が辞めにくいのです。

リクルート「中小・中堅企業の人材定着に関する調査」https://www.recruit.co.jp/newsroom/

中小企業は「研修にかけるお金も時間もない」と思いがちです。でも、スキルアップの支援は、大がかりな研修制度を作ることだけではありません。日々の仕事の中でできることがあります。

学びを日々の仕事に組み込む

一つめは、学ぶ機会を仕事の中に組み込むことです。新しい業務を任せる、これまでより少し難しい仕事に挑戦させる。人は、実際の仕事を通じて一番伸びます。「これができるようになったら、次はこれを任せる」と段階を示せば、社員は成長の道筋を実感できます。前に紹介したキャリアの階段表とあわせて使うと効果的です。

二つめは、外部の研修や資格取得を後押しすることです。受講料を会社が一部負担する、勉強の時間を勤務として認める。こうした支援があると、社員は「会社が自分の成長に投資してくれている」と感じます。費用が心配なら、人材開発支援助成金が使えます。従業員に研修を受けさせた中小企業に対して、研修費用と研修中の賃金の一部が助成される制度です。これを使えば、会社の持ち出しを抑えながら、社員の学びを支援できます。

厚生労働省「人材開発支援助成金」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html

三つめは、学んだことを活かす場を作ることです。せっかく研修を受けても、現場で使えなければ意味がありません。学んだ内容を実際の仕事で試させる、社内で共有する場を設ける。学びが成果につながる実感があると、社員はさらに学ぼうとします。

AI活用とふりかえりで定着につなげる

AIの活用も、スキルアップ支援に組み込めます。たとえば、社員が分からないことをすぐ調べられるよう、AIを使える環境を整える。新しいツールの使い方を学ぶ研修を、AI研修として実施する。AIを使いこなせる人材を社内で育てれば、それ自体が会社の競争力になり、社員にとっても市場価値の上がるスキルになります。

注意したいのは、支援を「やりっぱなし」にしないことです。研修を受けさせて終わり、ではなく、その後どう成長したかを一緒に振り返る。成長を認められると、社員はその会社で働き続ける理由を見つけます。

人を採るのが難しい時代に、今いる社員に長く活躍してもらうことは、何よりの人手不足対策です。成長を支援することは、社員のためであると同時に、会社の財産を育てることでもあります。

代表 喜連川慎也
喜連川 慎也(きれがわ しんや)
中小企業診断士 / 認定経営革新等支援機関
飲食チェーンで人手不足の店舗を10回立て直し、社内30店舗・社外40社以上の人手不足支援に携わってきました。AIと採用・定着の両面から、御社に最適な打ち手を提案します。代表プロフィールを見る →

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