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定着戦略

人が採れないなら、長く働いてもらう。シニア社員に活躍し続けてもらう職場の作り方

若い人を採ろうとしても応募が来ない。それなら、今いるベテラン社員や、定年を迎える人に、もっと長く働いてもらうという選択肢があります。人手不足が深刻な中で、経験豊富なシニア社員は、すぐに戦力になる貴重な存在です。2021年4月に施行された改正高年齢者雇用安定法では、70歳までの就業機会の確保が企業の努力義務になりました。国も、高齢者に長く働いてもらう方向を後押ししています。

厚生労働省「高年齢者雇用安定法の改正(70歳までの就業機会確保)」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000184703.html

シニア社員の強みを活かす

シニア社員の強みは、はっきりしています。長年の経験で培った技術や判断力があり、教育にかける時間がほとんどいりません。お客様や取引先との信頼関係を持っている人も多い。新しく採用してゼロから育てるより、すでにいる人に長く活躍してもらうほうが、ずっと早く確実です。

ただ、長く働いてもらうには、いくつか工夫がいります。一つめは、働き方の柔軟さです。体力の面で、若い頃と同じフルタイムはきつくなる人もいます。週3日勤務、時短勤務、繁忙期だけの勤務など、本人の状況に合わせた働き方を用意すると、無理なく続けてもらえます。一律のルールに当てはめようとすると、かえって離れていきます。

役割と技術の引き継ぎを設計する

二つめは、役割をはっきりさせることです。「いつまでも現役と同じ仕事を」と求めると、本人も周りもしんどくなります。これまでの経験を活かして、若手の指導や、難しい案件のサポートに回ってもらう。第一線でバリバリ働くのではなく、後進を育てる役割に移ってもらうと、本人の負担も減り、技術の引き継ぎも進みます。

三つめが、その人が持つ技術やノウハウを、会社の財産として残すことです。ベテランの頭の中にしかない知識は、その人が辞めると消えてしまいます。これを防ぐために、仕事の手順やコツを言葉にして残す。ここでAIが使えます。本人に作業の流れを話してもらい、それをAIに整理させてマニュアルにする。一から文章を書くより楽に、技術を形に残せます。

気をつけたいのは、シニア社員を「コスト」ではなく「戦力」として扱う姿勢です。給与を下げて単純作業だけ任せる、という扱いでは、本人のやる気も技術も活きません。経験に敬意を払い、役割と処遇を本人と話し合って決める。これがあって初めて、長く活躍してもらえます。

若い人の採用が難しい時代だからこそ、すでにいる人に長く働いてもらう視点が大事です。シニア社員の経験は、人手不足の会社にとって大きな支えになります。

代表 喜連川慎也
喜連川 慎也(きれがわ しんや)
中小企業診断士 / 認定経営革新等支援機関
飲食チェーンで人手不足の店舗を10回立て直し、社内30店舗・社外40社以上の人手不足支援に携わってきました。AIと採用・定着の両面から、御社に最適な打ち手を提案します。代表プロフィールを見る →

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