長年やってきた経験と勘で、これまでうまく回してきた。多くの中小企業の社長がそうです。でも、経験と勘だけに頼る経営には、見えにくいリスクがあります。どの商品が本当に儲かっているのか、どの曜日や時間帯に売上が偏っているのか、数字で見ないと気づけないことは多いものです。
中小企業庁の中小企業白書では、中小企業がIT活用で抱える課題として「何から始めればよいか分からない」という声が上位に挙がっています。データ活用も同じで、やった方がいいと分かっていても、手のつけ方が分からず止まっている会社が多いのです。実際、多くの中小企業ではExcelでの売上管理にとどまり、しかもそれが特定の担当者だけが分かる属人的なやり方になりがちだと指摘されています。
株式会社Sei San Sei「中小企業のデータ活用入門」(中小企業白書を引用)https://www.sei-san-sei.com/blog/blog-0080.html
ここでAIが役に立ちます。難しい分析ソフトを新しく入れる必要はありません。今あるExcelの売上データを、そのままAIに読ませるだけで始められます。
たとえば、月ごとの売上表をAIに渡して「どの商品が売上の中心か、上位から並べて」と頼む。すると、売上の8割を占める主力商品が一目で分かります。「先月と今月で、売上が大きく落ちた商品はどれか」と聞けば、手を打つべき商品が見えてきます。「曜日ごとの売上の傾向を教えて」と聞けば、人を多く配置すべき日や、逆に閉めてもいい時間帯のヒントが出てきます。
こうした分析を、AIは数十秒でやってくれます。これまで電卓やExcelの関数で何時間もかけていた集計が、データを渡して言葉で頼むだけになります。グラフにして、と頼めば見やすい図にもしてくれます。
Magic Moment「売上分析はエクセルで行えるのか?」https://magicmoment.jp/blog/profit-analytics-excel
進め方のコツは、いきなり全部をやろうとしないことです。まず「売上の高い商品トップ10を出す」など、一つの問いから始める。出てきた答えを見て、次に知りたいことを追加で聞く。この繰り返しで、自社の数字が少しずつ見えてきます。
注意点として、AIに渡すデータに顧客の個人情報が含まれる場合は、扱いに気をつける必要があります。社名や個人名を伏せた数字だけのデータにしてから渡すと安全です。
数字で経営を見られるようになると、勘で決めていたことに根拠が持てます。「なんとなく売れている」が「この商品が利益の柱だ」に変わる。次の一手を、感覚ではなくデータで決められるようになります。
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