苦労して採用した人が、入って数週間で辞めてしまう。中小企業では珍しくない話です。「これ読んでおいて」とマニュアルを渡されただけで、誰に何を聞けばいいか分からない。放っておかれている気がする。こうした入社直後のつまずきが、早期離職につながります。
これを防ぐのが、オンボーディングという考え方です。新しく入った人が、早く職場になじみ、戦力になれるよう支える一連の取り組みのことです。エン・ジャパンと甲南大学の共同調査では、オンボーディングという言葉を内容まで知っている企業は44%にとどまる一方、オンボーディングに力を入れている企業ほど定着率もパフォーマンスも高いという結果が出ています。
エン・ジャパン「中途入社者のオンボーディングと入社後活躍に関する調査(甲南大学・尾形教授との共同研究)」https://corp.en-japan.com/success/24704.html
中小企業ほど「新人に手をかける余裕はない」と思いがちです。でも、最初の数週間だけでも受け入れの流れを作っておけば、その後の定着がぐっと変わります。ここをAIで準備します。
まず、入社後の予定表を作ります。1日目に何をするか、1週間で何を覚えるか、1か月後に何ができていてほしいか。これをAIに整理させて、受け入れプログラムの形にする。行き当たりばったりではなく、道筋が見えている状態で迎えれば、新人の不安は大きく減ります。
教える内容のリスト化にも使えます。仕事の手順、社内のルール、よく使う道具の場所。ベテランにとっては当たり前すぎて言い忘れることを、AIに洗い出させてチェックリストにする。教える側の抜け漏れを防げます。
新人からの質問対応も準備できます。よくある疑問とその答えをAIにまとめさせて、入社時に渡しておく。「こんなこと聞いていいのかな」とためらう新人にとって、最初に答えがある安心感は大きいものです。
最初に任せる小さな仕事も決めておきます。簡単でも、やり切って成果が出る仕事を一つ用意しておけば、新人は早い段階で役に立てた実感を持てます。何をどの順で任せるかも、AIに案を出させて整理できます。
忘れてはいけないのは、プログラムは渡して終わりではないことです。受け入れの仕組みは土台で、その上で大事なのは、声をかけ、話を聞くこと。AIで準備の手間を減らした分、新人と向き合う時間に充てる。この順番を間違えないことです。
採用にかけたコストを無駄にしないためにも、入社直後の数週間は勝負どころです。受け入れの準備をAIで整えて、新しい人が「ここでやっていけそう」と思える環境を作りましょう。
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