年に一度の評価面談はあるけれど、それ以外に社員とじっくり話す機会がない。中小企業ではよくある状態です。何か不満を抱えていても、言う場がないまま、ある日突然辞めていく。これを防ぐ方法の一つが、1on1という短い面談を定期的に続けることです。
1on1は、上司と部下が1対1で、月に1回か2回、30分ほど話す場です。リクルートマネジメントソリューションズの調査では、従業員100〜699名の企業の57.7%が1on1を導入しており、導入した企業では上司と部下の関係性が良くなったという回答が40.9%、部下のモチベーションが上がったという回答が36.4%にのぼりました。社員の不満や悩みを早く知れる場として、定着に効くやり方です。
リクルートマネジメントソリューションズ「1on1ミーティングに関する実態調査」https://www.recruit-ms.co.jp/issue/inquiry_report/0000001055/
とはいえ、続けるのは簡単ではありません。同じ調査では、上司の面談スキルの不足と、上司の負担の重さが課題として挙がっています。何を話せばいいか分からない、忙しくて準備できない。これで自然消滅する会社が多いのです。ここをAIで支えます。
まず、話すテーマづくりです。「最近の仕事で困っていること」「やってみたい仕事」といった質問の候補を、AIにいくつか出させておく。話が続かないときの引き出しがあるだけで、面談する側の不安が減ります。
記録の整理も任せられます。面談中に取ったメモをAIに渡せば、要点と、次回までに対応すべきことを整理してくれます。前回何を話したかをすぐ振り返れるので、「言ったのに何もしてくれない」という不信感を防げます。
社員の変化に気づく助けにもなります。何回かの面談メモをまとめてAIに読ませると、ある社員の話す内容が後ろ向きに変わってきた、といった流れが見えてきます。早めに気づければ、深刻になる前に手を打てます。面談を続ける工夫にも使えます。次は誰との面談がいつか、間隔が空きすぎている人はいないかを、AIにカレンダーと照らして整理させる。忙しいと後回しになりがちな予定を、こぼさず回せます。
忘れてはいけないのは、1on1の主役は社員で、話すより聞く場だということです。AIが用意するのは、あくまで質問の候補と記録の整理。社員の話にちゃんと耳を傾けるのは、上司にしかできません。AIで準備と記録の手間を減らし、聞くことに集中する。
社員は、見てもらえている、話を聞いてもらえていると感じると、簡単には辞めません。評価のための面談とは別に、ふだんの悩みを話せる場を持つ。その仕組みを、AIの力を借りて無理なく続けることが、定着への近道になります。
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