やっと応募が来た。書類を見て、面接の日程を決めて、社内で相談して、合否を伝える。中小企業ではこの一つひとつに時間がかかりがちです。その間に、応募者は他社にとられています。
求職者は今、1社だけを受けているわけではありません。リクルートの調査では、2025年卒の学生が得た内定の数は平均2.64社でした。別の調査でも、内定辞退を経験した学生は62.6%にのぼります。複数の会社を並行して受けているので、連絡が遅い会社は、検討の土俵に乗る前に脱落します。マンパワーグループの調査では、内定までのリードタイムが原因で応募者に辞退された企業は8割を超えるという結果も出ています。
日本の人事部(キャリアチケット「2025年卒の内定承諾・辞退に関する実態調査」)https://jinjibu.jp/news/detl/24227/ / マンパワーグループ https://www.manpowergroup.jp/client/jinji/240513.html
中小企業が応募者を待たせてしまう理由は、人手です。社長や担当者が本業の合間に採用をやっているので、メールの返信が後回しになる。面接の日程調整に何往復もメールがかかる。ここをAIで詰めると、対応が一気に速くなります。
まず、応募が来たときの一次返信です。「応募ありがとうございます。3日以内に面接日程をご連絡します」という文面をあらかじめAIに作らせておき、応募が入ったらすぐ送る。これだけで、応募者は放置された不安を感じずに済みます。
日程調整も短くできます。応募者からの希望日のメールをAIに読ませ、こちらの空き状況に合わせた返信案を作らせる。何度もやりとりする手間が減り、最短で面接日が決まります。日程が決まったあとも、前日にリマインドの連絡を一本入れるだけで、無断キャンセルがぐっと減ります。この一本の文面も、AIに用意させておけます。
合否連絡の文面づくりも任せられます。採用の連絡、お見送りの連絡、それぞれの文面をAIに用意させておく。特にお見送りの連絡は後回しにされがちですが、丁寧に早く返す会社は、応募者の間で評判が良くなります。落とした人が、別の知り合いを紹介してくれることもあります。採用を決めた人にも、入社日までの間に様子をうかがう連絡を一本入れておけば、入社前の不安がやわらぎ、辞退や音信不通を防げます。
注意したいのは、速さだけを追わないことです。AIで定型のやりとりを速くした分、空いた時間を、応募者一人ひとりと向き合うことに使う。機械的な対応に見えないよう、最後は人の言葉を一言添える。このバランスが、応募者に選ばれる会社をつくります。
採用は、応募が来た瞬間から始まっています。来た人を待たせず、気持ちよくやりとりする。その地味な速さの積み重ねが、限られた応募を取りこぼさない一番の方法です。
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