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定着戦略

親の介護で、働き盛りの社員を失わないために。仕事と介護の両立支援

ベテランの社員が、親の介護を理由に辞めてしまう。経験を積んだ中核の人材を失うのは、会社にとって大きな痛手です。介護と仕事を両立できる体制を整えれば、その離職は防げます。両立支援の進め方を考えます。

介護離職は、働き盛りの人を直撃する

介護に直面するのは、多くが40代から60代です。ちょうど、現場を支える中堅や管理職として活躍している世代と重なります。介護は育児と違い、いつ始まり、いつ終わるか読めません。突然始まることも多く、準備のないまま仕事との両立に行き詰まり、辞める道を選んでしまう人がいます。本人にとっても、会社にとっても、避けたい結果です。採用や育成にかけた時間と費用を考えれば、一人の離職が会社に与える影響は小さくありません。

制度を知らないまま辞める人が多い

介護のために使える制度は、法律で定められています。介護休業や介護休暇、短時間勤務などです。ところが、こうした制度があることを知らないまま、退職を選んでしまう人が少なくありません。2025年4月からは、40歳になった社員への制度の情報提供や、相談窓口の整備が会社の義務になりました。まず、自社で使える制度を社員に分かりやすく伝えることが、離職を防ぐ第一歩です。使える制度を一覧にまとめ、入社時や年に一度の面談で伝えておくと、いざというとき思い出してもらえます。

相談しやすい空気をつくる

制度があっても、相談しづらい職場では使われません。介護を抱えていることを言い出せず、一人で抱え込んだ末に辞めてしまう。これを防ぐには、普段から介護の話をしやすい空気が必要です。上司が困ったら早めに相談してほしいと伝えておくだけでも、社員は安心します。働く時間や場所を柔軟にできる仕組みがあれば、介護をしながらでも働き続けられます。早めの相談が、両立のカギを握ります。介護は人に言いにくいことも多いため、面談などで個別に状況を聞ける場があると、より安心です。

元気なうちから、備えを促す

介護は、直面してからでは準備が間に合いません。親が元気なうちから、いざというときに使える制度や相談先を知っておくよう、会社から促しておくとよいでしょう。厚生労働省は、仕事と介護の両立支援のための資料や事例を公開しています。これらを社内研修に使うこともできます。介護を個人の問題として放置せず、会社として支える姿勢を示す。それが、大切な人材を守ることにつながります。会社が支える姿勢を示すこと自体が、社員の安心と、長く働き続けたい気持ちにつながります。

出典:厚生労働省「仕事と介護の両立 ~介護離職を防ぐために~」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritsu/index.html

代表 喜連川慎也
喜連川 慎也(きれがわ しんや)
中小企業診断士 / 認定経営革新等支援機関
飲食チェーンで人手不足の店舗を10回立て直し、社内30店舗・社外40社以上の人手不足支援に携わってきました。AIと採用・定着の両面から、御社に最適な打ち手を提案します。代表プロフィールを見る →

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