育休に入った社員が、復帰の時期が近づくと不安そうにする。あるいは、そのまま退職を選んでしまう。せっかく育てた人材を、復帰のしにくさで失うのは大きな損失です。戻ってきてもらえる会社にするための、受け入れ方の工夫を考えます。
育休からの復帰をためらう背景には、いくつもの不安があります。ブランクの間に仕事が変わっていないか、子どもの急な発熱で休んだときに迷惑をかけないか、時短で働くと評価が下がるのではないか。こうした不安が解消されないまま復帰の日が近づくと、いっそ辞めようという気持ちに傾きます。本人のやる気の問題ではなく、戻りやすい環境が整っていないことが原因です。人が採れない時代に、戻ってくれる人を逃すのは惜しいことです。とくに中小企業では前例が少なく、自分が戻ってうまくやれるか想像しにくいことも不安を強めます。
復帰をスムーズにするには、休んでいる間に会社との接点を切らさないことが効きます。本人が望む範囲で、社内の大きな変化や近況をときどき伝えておくと、戻ったときの浦島太郎状態を防げます。復帰の前には面談の機会を設け、どんな働き方を希望するか、どんな配慮が必要かを一緒に確認しておくと、お互いに安心して復帰の日を迎えられます。連絡の頻度や方法は本人の意向を尊重することが前提です。ほんの短いやり取りでも、会社から気にかけてもらえているという安心につながります。
小さな子どもを育てながらフルタイムで働くのは、簡単ではありません。短時間勤務や、急な休みに対応できる柔軟さがあると、復帰のハードルは大きく下がります。育児・介護休業法では、一定の条件のもとで短時間勤務などの措置が定められており、会社が整えるべき土台があります。法律を守るのは当然として、その上で自社なりに働きやすさを工夫すると、戻ってきた人が長く活躍してくれます。保育園のお迎えや行事に合わせて働ける余地があるだけで、続けやすさは大きく変わります。
育休から戻って活躍している先輩がいると、後に続く社員も安心して制度を使えます。一人の復帰がうまくいくことが、その後の定着につながっていきます。まずは、これから復帰を控えている社員がいれば、いま何に不安を感じているか、一度ゆっくり聞いてみてください。制度の詳細は厚生労働省の案内で確認できます。
出典:厚生労働省「育児・介護休業法について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html
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