同じような仕事なのに、担当者によって見積もりの金額が違う。安く出しすぎて利益が出ない、逆に高すぎて失注する。AIを使って、見積もりの根拠と計算をそろえる方法を考えます。
見積もりは、会社の利益を左右する大事な作業です。ところが、ベテランの勘に頼っていたり、人によって計算の仕方が違ったりすると、出てくる金額がバラバラになります。安く見積もりすぎれば、受注できても利益が残りません。逆に根拠なく高ければ、取引先に不信感を持たれます。「あの担当だと高い」といった評判が立てば、会社全体の信頼にも関わります。誰が出しても一定の基準で計算できることが理想です。
見積もりに必要な材料費・人件費・経費の項目と、それぞれの単価や計算の手順を整理して、AIに覚えさせておく形にできます。条件を入れれば、同じルールで金額を計算してくれるので、人による差が小さくなります。過去の似た案件のデータをもとに「この条件ならこのくらい」という目安を出してもらうこともできます。表計算ソフトと組み合わせれば、項目を入力するだけで根拠つきの見積書ができあがり、作成の時間も短くなります。ベテランが頭の中だけで持っていた相場感を、誰でも使える形に書き出しておけば、その人が休んでも仕事が止まりません。
見積もりで大事なのは、金額そのものだけでなく「なぜその金額になるか」を説明できることです。内訳がはっきりしていれば、取引先に値段の理由を伝えられますし、値引きを求められたときも、どこまで下げられるかを冷静に判断できます。AIで計算の根拠を残しておけば、担当者が代わっても説明の筋が通ります。原材料費が上がったときに、その分をきちんと価格に反映する判断もしやすくなります。
根拠のある見積もりは、価格交渉の場でも強みになります。コストが上がっているのに、なんとなく安く請け負い続ければ、利益が削られ、賃上げの原資も失われます。国も、コストの上昇分を取引価格に反映する取り組みを後押ししています。計算の根拠がそろっていれば、適正な価格を自信を持って提示できます。逆に根拠が曖昧なままだと、強く言われたときに必要以上に値引きしてしまい、後で利益が出ないことに気づくことになりかねません。まずは、自社の見積もりに使う項目と計算ルールを一度書き出して、誰が見ても同じ結果になる形に整えるところから始めてみてください。
出典:中小企業庁「価格交渉・価格転嫁の支援」https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/torihiki/index.html
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