求人を出しても人が集まらないとき、見落としがちなのが今いるパートやアルバイトです。仕事を覚え、職場にもなじんでいる人を正社員に登用すれば、ゼロから採って育てるより早く戦力になります。本人にとっても将来が見えやすくなり、辞めにくくなります。
外から一人を採るのにかかる手間と費用は小さくありません。すでに自社の仕事を理解している人を登用すれば、教育にかかる時間も短く済みます。何より、働きぶりを見たうえで判断できるので、採用のミスマッチが起きにくくなります。
どうすれば正社員になれるのかが分からないと、本人は動けません。勤続の長さや任せられる仕事の幅など、登用の条件をはっきり示すことが第一歩です。半年や一年といった節目で面談し、本人の希望を確かめる。道すじが見えれば、パートのうちから前向きに働いてくれます。
非正規の社員を正社員に転換した事業主には、国のキャリアアップ助成金が用意されています。要件を満たせば、登用にかかる負担の一部をまかなえます。申請には就業規則の整備や計画づくりが必要ですが、書類のたたき台づくりや手順の整理はAIに手伝ってもらえます。制度の活用と社内の仕組みづくりを同時に進められます。
厚生労働省「キャリアアップ助成金(正社員化コース)のご案内」https://www.mhlw.go.jp/content/11910500/001469677.pdf
登用でつまずきやすいのが、正社員になった後の待遇です。仕事の責任は増えたのに、給与や評価が以前とあまり変わらないと、本人は不満を感じます。登用にあわせて、何を期待し、どう処遇するのかを本人にきちんと説明することが欠かせません。もとから正社員だった人との間に不公平が生まれないよう、評価の基準もそろえておきます。就業規則や評価のルールを見直す必要が出てきますが、たたき台づくりはAIに手伝ってもらえます。ここを整えておくと、登用された人がいきいきと働く姿が、次の候補者への良い見本になります。一人を登用して終わりではなく、続く道をつくることが大切です。
登用は、長く働いてくれた人への会社からの答えでもあります。頑張れば正社員への道が開けると分かれば、ほかのパートやアルバイトのやる気にもつながり、職場全体が前向きになります。
人手不足を外からの採用だけで埋めようとすると、時間もお金もかかります。今いる人の中に、次の正社員候補はいないか。登用の仕組みを整えることは、採用と定着の両方に効く打ち手です。
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