AI研修・導入の費用は助成金で抑えられる|中小企業の人材開発支援助成金
「AIを学ばせたいが、研修にお金をかける余裕がない」。そんな会社のために、国の助成金で費用の大部分をまかなえる制度があります。代表的なのが、厚生労働省の「人材開発支援助成金」です。
人材開発支援助成金は、会社が従業員に職務と関係する研修を受けさせたとき、その費用や、研修中に払った賃金の一部を、国が負担してくれる制度です。申請するのは会社で、個人事業主も対象になります。パートや有期雇用の従業員に向けた研修も使えます。
AI・デジタルの研修なら、中小企業は最大75%
コースはいくつかあります。DXやデジタル人材を育てる「人への投資促進コース」では、中小企業の場合、研修費用の最大75%が助成されます。2025年4月の改正で、研修を受けている間の賃金に対する助成額も引き上げられました。基本的な「人材育成支援コース」でも、中小企業は費用の70%が対象です。生成AIの使い方を学ぶ研修も、要件を満たせば対象になり得ます。費用の大半が戻ってくるなら、研修への一歩を踏み出しやすくなります。
使うときに知っておきたい注意点
便利な制度ですが、いくつか気をつける点があります。まず、研修を始める前に計画を出すなど、申請の手順が決まっていて、書類はやや複雑です。次に、お金が戻るのは研修が終わって審査を通ったあとなので、いったんは会社が費用を立て替えることになります。さらに、要件を満たさないと不支給になる場合もあります。「申し込めば必ずもらえる」ものではない、と知っておいてください。
研修と、その後の実践をセットで考える
もう一つ大事なのが、研修を受けて終わりにしないことです。学んだことを、自社の実際の業務で使ってみる場を用意します。研修で覚えたAIの使い方を、翌週から請求書づくりや問い合わせ対応で試す、といった具合です。せっかく助成金で学んでも、現場で使わなければ身につきません。学ぶ前に「何にAIを使うか」をあらかじめ決めておくと、研修の効果はぐっと高まります。
確実に使うなら、社会保険労務士と一緒に
助成金の要件や金額は、年度ごとに見直されます。今年使えた条件が、来年も同じとは限りません。だからこそ、申請に慣れた社会保険労務士と一緒に進めるのが確実です。「どのコースが自社に合うか」「今の制度で何割戻るか」は、思い込みで進めず、必ず最新の情報で確認してください。
AI活用は「お金がかかるから後回し」になりがちです。ですが、こうした制度を使えば、負担を抑えて始められます。まずは、自社が対象になりそうかを調べるところからです。


