請求書作成をAIで自動化|経理の残業をなくした町工場の事例
経理の残業がなくならないなら、請求書づくりから自動化するのが一番の近道です。特別なソフトを買わなくても、今あるデータで始められます。
従業員8人の町工場で起きていたこと
経理を、社長の奥さんがほかの仕事と兼ねて担当していました。毎月25日を過ぎると請求書づくりが始まり、月末まで続きます。取引先ごとに前の月との違いを確認し、品名・数量・単価を一件ずつ手で入力する。金額が合わないときは、受注のメモまでさかのぼって突き合わせます。この一連の作業に、毎月20時間以上かかっていました。請求書を出し終えたあとも、入金があったかどうかを通帳と照らし合わせる確認が待っています。
やったのは、大がかりなシステム導入ではない
受注の記録は、表計算ソフトにきちんと残っていました。そこで、そのデータをもとに請求書を自動で組み立てる流れを作りました。品名・数量・単価・宛名・日付が、ボタンひとつで請求書の形に整います。あわせて、入金データと請求データを自動で照合し、入金がまだの取引先だけを一覧で出せるようにしました。新しい高価な会計ソフトは、何も買っていません。今ある表計算ソフトとAIを組み合わせただけです。
結果として何が変わったか
毎月20時間かかっていた作業は、3時間ほどになりました。減ったのは時間だけではありません。手入力のときに月に数件あった金額の打ち間違いがなくなり、取引先へ謝る電話も不要になりました。月末に机へ向かう時間が減り、残業もなくなっています。奥さんは「もっと早くやればよかった」と話していました。
「うちは受注の記録がきれいに揃っていないから、自動化なんて無理だ」と感じるかもしれません。ですが、多少ばらついていても問題ありません。最初に入力の形を一度そろえてしまえば、あとはその形に沿って入れていくだけです。整える手間がかかるのは初回だけで、二か月目からは、そろえた恩恵だけが毎月残っていきます。むしろ、この機会に入力の形を決められること自体が、あとあと効いてきます。
どんな会社で効果が出やすいか
毎月、決まった形で請求書を出している会社ほど、効果が大きく出ます。取引先が多い、品目が多い、請求のたびに同じ作業を繰り返している。こうした会社では、人がやっている部分のほとんどを仕組みに置き換えられます。まずは、今の請求書づくりに毎月どれだけ時間がかかっているかを数えてみてください。その時間が、そのまま減らせる時間の大きさになります。


