あの取引先の前回の対応はどうだったか。あの作業の手順はどうなっていたか。調べようとしても、紙の書類やバラバラのエクセルを探し回って時間を使う。人手が限られる会社ほど、この探す時間がもったいないのです。社内の情報を整えておけば、少ない人数でも素早く動けます。
中小企業白書では、デジタル化の段階を分けて見ています。最初の段階は、紙や口頭でのやり取りが中心で、情報が整理されていない状態です。多くの中小企業が、ここから抜け出せずにいます。
出典:中小企業庁「2022年版中小企業白書」(中小企業におけるデジタル化とデータ利活用)https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2022/chusho/b2_3_2.html
いきなり高い道具を入れる必要はありません。まずは、あちこちにある情報を一か所にまとめることから始めます。顧客とのやり取り、作業の手順、よくある質問への答え。これらを共通の場所に置くだけで、探す時間が減ります。整理されていれば、担当者が休んでも、別の人が対応できます。
まとめた情報をAIに読ませておけば、知りたいことを聞くだけで必要な部分を探してくれます。長い記録を要約させたり、ばらばらのメモを整理させたりするのも得意です。一人が抱えていた知識を、誰でも引き出せる形に変えられます。属人化がほどけ、特定の人がいないと回らない状態から抜け出せます。
すべてを一度に整えようとすると、手が止まります。まずは、いちばん困っている情報から手をつけます。問い合わせ対応に時間がかかっているなら、よくある質問とその答えから整える。効果を感じたら、少しずつ範囲を広げていきます。完璧を目指さず、使いながら直していくのが続けるコツです。
情報を整えるとき、何でもかんでも残そうとすると、かえって探しにくくなります。古くて使わない資料、二重になった記録、もう使っていない様式。まずは要らないものを捨て、本当に必要な情報だけを残します。整理されていない情報をそのままAIに読ませても、ちぐはぐな答えが返ってきます。人が見て分かりやすく整えてあるほど、AIも正しく扱えます。道具を入れる前に、まず中身を片づける。この順番を守ると、あとの作業がぐっと楽になります。
情報がそろっていない会社は、判断のたびに探す時間を取られます。人手が足りないなら、その時間こそ削るべきです。AIで社内の情報を整え、誰でも引き出せるようにする。少ない人数で速く動ける会社は、こうした土台づくりから生まれます。整えるのは一度きりではありません。使いながら、いらない情報を折にふれて減らしていくことが、探しやすさを保ちます。
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